株式会社アンサーノックス

2012.08.31
旧ブログ

洗礼式

ペルー人の友人の子供が1歳を迎えるに当たり、
カトリックの洗礼を受けるということで、洗礼式にお招き頂きました。
日曜日の午後に甲府カトリック教会に行くと、教会の長椅子に座りきれない程の
人が集まっていました。
この夏の最高気温を記録した甲府盆地の古い古い教会の中には、
年代物に見える扇風機が数台回っているだけで、皆真っ赤な顔をして
座っているのですが、中にはミサのためにおしゃれをしてきている人もいて、
教会の中はとても華やかでした。

言い忘れましたが甲府カトリック教会は、
毎月第1・3日曜がラティーノ
第2日曜が韓国
第4日曜がフィリピン向けのミサとなっております。
この第4日曜日、集まったフィリピン人は9割が女性だったので、
暖かく、やわらかで、華やかな雰囲気を醸し出していたのだと思います。

予約席と書かれた親族席に座る我々は、男性はスーツにネクタイ、女性はドレスアップして
来ており、洗礼を受ける家族として少し誇らしい気持ちを持って私も席に座ります。

私はカトリックではありませんし、ミサも初めてです。
もう20年以上も前にニューヨークに滞在した折り、何かの拍子に教会に行ったことがありますが、
ひんやりとした空気と高い天井、黒人女性たちの歌うゴスペルを
ボンヤリと覚えている以外ほとんど記憶にありません。
案内をする係の女性が、参列者に「ミサレター」と書かれた小さな新聞のようなものを
渡しています。
日本人向けのものはないようです。
英語と、ところどころタガログ語のようなものが書いてあります。

いよいよ神父さまが出てきて、ミサが始まりました。
正面左手のスクリーンには聖書の一節がイラストになって映し出されています。
皆が手に持っているあの小さな新聞には、神父さまが話す内容と、
みんなが声を出して唱えるセリフが書かれています。

時々立ち、短い歌を歌い、アーメンと唱え、座り・・・と繰り返します。
隣に座ったフィリピン人のマリーさんが、ポルトガル語と日本語と英語のミックスで、
神父さまが話した内容を説明してくれます。
キリスト、パン、奇跡、信じる、赦す、平和・・・。
平和は英語ではpeaceですが、ポルトガル語ではpaz(パズ)
タガログ語ではkapayapaan(カパヤパアン)と言うそうです。

クリスチャンでもなく、英語もポルトガル語もタガログ語もわからない私と、
日本語がまぁまぁの彼女との間でどうして理解できるのか?と自分でも思うのですが、
その瞬間、確かに彼女と私は理解し合えた!と思ったのです。

ミサは順調に進み、いよいよ洗礼が始まります。
まるで運動会でのお父さんお母さんのように、みんな前に出てカメラを構えるので、
正直何がなんだかよくわからないのですが、
ゴッドマザーと呼ばれる人がロウソクを持ち、子供と神父を囲みます。
ドラマなどから知り得る私の想像では、お風呂みたいなものの上で、
子供の額に水を掛けて、子供が泣きわめく・・・というのを想像していたのですが、
脳天の辺りで十字を切る瞬間が見えた程度で、
全貌は明らかにならないまま終わってしまいました。

無事終わって、おめでとうと言い合い、またミサのプログラムに戻ります。
寄付金を入れるカゴが回ってきて、
神父さまからパン(私には紙に見えた)を与えられる儀式があって、
この日は神父さまの誕生日ということで、皆でハッピーバースデーを歌い、
連絡事項があり(関東近県で行われるイベントごとの案内等)、ミサは終了となりました。

とても古い教会には、マリア像と並んで全部で6体の像が飾られていますが、
そのうち一つはなんとクリスチャンのサムライ像なのです。
刀を差し、裃をつけた侍が祈る形の像はとても印象的でした。

土曜日も仕事をしている外国人が多い中で、貴重なお休みの午後、
こうして大勢の人が信仰のために集まるというのはすごいことだなぁと思いました。
汗だくになりながら教会の高い天井を見上げ、静けさとパワーの混在する何かを感じたのでした。

この日洗礼を受けた人の行く先が明るい道でありますように。
この日あの場所にいた人たちも幸せでありますように。