- 2012.01.16
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プラハでパイク
本日はyasの投稿記事です。
国の内外を問わずどこに出かける時にも、
少しでも時間が取れそうなら釣りの道具を持っていくことにしています。
結局たいていは竿を出すことさえできないことが多いのですが、
たまには少ないチャンスをものにしてということもあります。
中でも一番の釣果としては、チェコの首都プラハを流れるモルダウ川(モルダヴァ川)で
パイク(カワカマス)を釣ったことがあります。
散歩がてら川岸を歩きながら係留されている船の脇のカケアガリを
ソフトルアーで狙ってわずか数投、
思いがけない幸運はひどくあっけなく訪れました。
パイクはドイツ語でHecht、スペイン語とポルトガル語ではlucioといいます。
これだけいろいろな呼び名を知っているということは、
それだけいろいろなところで挑んできたということです。
残念ながら日本には生息していません。チェコ語ではštikaというようですね。
念願かなってようやく出会うことができました。
体長40cmほど、1m以上にも成長するパイクとしてはほんの子供ですが、
そこは川のギャングとも呼ばれる魚。
針を外す時に鋭い歯で指を切りました。
季節はちょうどクリスマスの前の頃でプラハの街中ではヤドリギが売られていました。
ヤドリギは生命再生の象徴であるらしく縁起物として家の内外 に飾り付けます。
意気揚々と引き上げる道中の露店で一つだけ金色に塗られたものを見つけて買いました。
フレイザーの金枝篇の金枝とは金色のヤドリギのことで
それを手にしたものは世界の王になれるといいます。
ソースはエウレカセブンですけど。
プラハでは禅道場の居候をしていたのですが、
ヤドリギを手に持って引き上げてくると
建築の勉強をしているというとても背の高いドイツ人の女の子に会いました。
「ほら金色のミステル(ヤドリギ)。ヘヒトも釣ったしこれで私は世界の王」と彼女に話しかけました。
実は彼女がさっきまで他のチェコ人と自分の祖母が
危篤状態でという話をしていたのを私は知っていました。
何も知らないふりをしてあえて陽気に振舞ってみたのです。
たとえ世界の王だとしても死の運命からは逃れられないのですから。