- 2012.07.20
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情報は力
アンサーノックスは外国人の支援をしています。
派遣会社としてスタッフに仕事を紹介し、マネジメントしています。
社名の通り、それ以外にも「扉を叩いてくれる」外国人がいたら、
出来る限りのことをしているのですが、このところ出産に関する相談が相次いでいます。
出産をする予定の外国人の方が病院へ行っても、紙を書いてくるように言われ、
数枚の紙を渡されるだけなのです・・・。
日本人の妊婦さんも同じと言えば同じなのですが、日本語での会話は出来ても、
漢字の書いてある書類を読んで、理解し、記入することは
ものすごくハードルの高いことなのです。
まして、日本の産休や育休、出産にまつわる必要不可欠な書類はたくさんあります。
重要なことは書面で告知されることも多いので、
そんな時にはまさしく「情報は力」であると痛感します。
力不足はもちろん本人の理由によるところも大きいのですが、
我々日本人からすれば簡単なことだけに、
とても惜しい気持ちになるのと、会話は十分出来るラティーノたちだけど、
漢字のハードルはとても高いということが悔しさを倍増させます。
最初は日本に「Dekasegui(デカセギ)」に来た。
派遣先では1日12時間工場で働き、ラインにはブラジル人通訳がいて送迎もしてくれた。
住居も派遣元が用意してくれるか、ブラジル人コミュニティのコネクションですぐにみつかった。
ブラジルスーパーやブラジルレストランも多く、子供たちは皆ブラジル人学校に通い、
日本人と積極的に関わることなく生活出来た…。
最大公約するとこんな感じです。
ですが、日本の経済が右肩上がりでなくなって以降、彼らを取り巻く環境も激変し、
日本語が出来なければ仕事がない、漢字が書ければもっと良い仕事に就ける。
というように変化していきました。
BRICsを祖国に持つ外国人の雇用の話をする場合に、
祖国の経済が安定成長しているのだから帰れば良いと言う話になりがちですが、
私の知っているブラジル・中国に限って言えば、国土は広大で、
都市部と地方に非常に大きな貧富の差があること。
そして、日本に長年住んできた彼らからすると、
日本の食品や治安に対する安全性や信頼性の高さが圧倒的であること、
長らく離れた母国に帰国して本当に仕事があるのかの不安、
子供たちは日本で育ち日本の生活しか知らない「日本人」になりつつあるため、
帰国後に生活に馴染めるかどうかの不安…。
様々な理由で帰ることが出来ない、帰らない選択をする人も多いのです。
アンサーノックスはそんな彼らに少しでも日本語を学ぶチャンスを持ってもらい、
日本の生活での力不足解消の役に立ちたいと思っています。
情報は力、ですが、手の届かない力ではないのだから、是非手に入れてもらって、
外国人にとっての日本での生活、そして我々日本人にとって良い影響が出るよう、
1歩1歩を歩んでいきます。