株式会社アンサーノックス

2012.09.07
旧ブログ

アフリカの念仏

yasさんからの投稿です。

ナイジェリア出身の方と話す機会がありました。
以前私はナイジェリア人と思われる人とネットで取引したことがあり、
その人の名前を覚えていたのでそれについて聞いてみました。
すると「たぶんイボ族だろう。自分はヨルバ族なのでわからない」ということでした。
また歌手のシャーデーについて聞いてみたところ「彼女の父親がイボ族だ」ということでした。
同じナイジェリア人なのにまるで他国のことのようによそよそしく、
なによりも先に部族が出てくることにちょっと意外な感じがしました。

ナイジェリアについて聞かれどれだけの日本人が正確に答えられるでしょうか。
アフリカの西海岸にあり公用語は英語。
大きなものだけでもヨルバ族、イボ族、ハウサ族と三つの部族があり
それぞれがまったく異なる民族でお互いに意思の疎通ができない言葉を話す。
北部にはイスラム教徒が多く南部にはキリスト教徒が多い。小さな部族はそれこそ無数にある。
大まかにいえばとこんなところでしょうか。
「日本、中国、韓国をまとめてひとつの国にしたようなもの」という彼の説明に納得させられました。
ヨルバ語はヨルバ族の言葉であって周辺のいくつかの国にまたがって話者がいて、
ナイジェリアの言葉という以上にヨルバ民族の言葉。
それはその他のイボ語やハウサ語でも同様。
日本、中国、韓国がという説明に納得させられました。
このへんの事情はインドにそっくりで、
どちらもイギリスの植民地支配の結果としかいいようがありません。

くだんの彼は日本人と結婚していて奥さんの親のお葬式に参列したことがあるそうです。
しきりに「ナマダブナマダブいっていた」というので、
「それは仏教の中でも浄土宗というもの。いってみればみんなで天国を目指しているので、
あなたの信じているキリスト教からそんなに遠いものではない」と説明しておきました。
果たしてそれでいいものか。
神曲も往生要集も地獄編の迫力に比べ天国編はどこか空虚に感じられます。
でもいずれも同じ人間が考えたこと。
天国と極楽浄土にそれほどの違いはないはず、というわけでもないでしょうねやっぱり。

筒井康隆の名作に「アフリカの爆弾」というのがあります。
日本の商社がアフリカで爆弾を売って、
ただし信管は別料金という話でガキデカの山上たつひこが漫画にしたこともあります。
もしアフリカに仏教を輸出するとしたら浄土宗がいいでしょうか。
難解な部分の多い禅宗は物事をよけいに難しく考えがちな人たちには好評ですが
アフリカの風土向きではないと思います。
いま大変な勢いで中国がアフリカに進出しています。
基本は宗教抜きでしょうがあの文化大革命ですら仏教を消し去ることはできなかったのです。
極楽を天国といいかえて仏教も輸出されるかもしれません。ただし念仏は別料金で。