株式会社アンサーノックス

2019.11.22
お役立ち情報

医療コラム『医療におけるカルチャーショック』

こんにちは!
アンサーノックスのゆいです。

いきなりですが
日本と海外で医療に対する考え方がどのように違うのか、ご存知ですか?
弊社に登録に来てくれる外国人スタッフの皆さんとお話していると
日本の医療でビックリする事もあるみたいです。
今回はある外国人スタッフの
Aさん(ネパール人・40代・女性)のエピソードをご紹介し
弊社の顧問産業医・野田北斗先生に解説頂きました!

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Aさんが、以前体調を崩し病院で受診した際
「念のためにガン検査を行いましょう」とお医者様から言われたそうです。
しかし、彼女は「ガン」という言葉を聞いただけで
自分は「ガン」だと思い込み、大騒ぎ!
日本語での受診では分からない単語が多く不安だったために、仕事を休み
検査結果が出る前に母国へ帰り、再びガン検査を行いました。
結果、検査結果は異常なし。
安心したスタッフは日本に戻って来て、お仕事を再開したのでした。

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日本語に不安があったという点もあると思いますが
なぜ今回のような事態に繋がってしまったのでしょうか?
先生、解説をお願い致します!

 ⇩

はじめまして、産業医の野田北斗と申します。
私は、山梨大学医学部で初期研修を終えた後
県立の精神科病院である山梨県立北病院で
3年間の後期研修を積み、
現在は、非常勤で精神科の外来を請け負いながら
誰もが生き生きと生活できる社会を目指して
研究や産業医としての活動に取り組んでいます。

現在、お世話になっているアンサーノックスさんは
主に外国人労働者の派遣業務を行っている会社で
私が産業医として初めて
仕事を請け負わさせて頂いている企業さんです。

あえて、日本人と比べて就業するのにハードルがある
異文化からの労働者の業務管理を扱いたいという姿勢に共感して
仕事を受けることを決めました。

アンサーノックスさんにとっても、初めての産業医
初めての職場巡視・安全衛生委員会ということで
お互いに試行錯誤しながら、安全で健康的な職場を目指して
取り組んでいます。
今後、外国人労働者を雇う企業が増えてくると思いますが
その活動の中で、役に立てていただきたいと思い
普段の活動の様子を、この場を借りまして
少しずつシェアしていこうと思っています。

まず今回のエピソードですが
文化的背景の違う人に対しては、もちろん言語が不自由なため
情報が正確に伝わりにくいということもありますが
それ以上に、同じことを言ったとしても伝わり方は違うということです。
日本は先進国の中では、
ガン検診の受診率がまだまだ低いといわれてはいますが
それでも、医療費が増大する背景の中
進行性のガンに関しては早期発見早期治療を行う対策を推進しており
年々ガン検診受診率が上昇し、死亡率は減少。
今や日本では、ガンは治る病気になりつつあります。

一方で東南アジアのように、まだ高齢化の進んでいない国では
ガンの死因に対する割合が低いため、日本ほど対策が進んでいません。
日本では、ガンは早期発見早期治療をすることが
一般の方にも普及しつつありますが
まだ若い人が多い国では周りにガンでなくなっている人があまり多くないため
ガンという病気に対するイメージが深刻に取られやすいと考えます。

結果として、ガンで検査をするというと、普段なじみがないため
不安になってしまうということが考えられます。
日本人の医師としては
普段健康診断を受けていない人が目の前に現れた場合
念の為ガンのスクリーニングをするというのは当たり前のことですが
世界的には、まだ当たり前じゃない地域が多いということだと思います。

◇ ◆ ◇

先生、解説ありがとうございました!

今回は文化の違い・コミュニケーション(言葉の伝わり方)が
充分ではなかった事が原因で、Aさんは不安になってしまったんですね。

この壁をなくすためには、外国人が日本を知っていくだけではなく
私たち日本人も、外国人の不安をなくす努力が必要です。

アンサーノックスでも、こういった情報を皆さんへ発信して参りますので
役立てて頂けたら幸いです。