株式会社アンサーノックス

2010.05.21
旧ブログ

私の仕事は何だろう?

先日100円ショップでお買い物をしていた時のことです。
フィリピン人スタッフのKさんとばったり会いました。
Kさんはタガログ語と英語とポルトガル語の話せるお子さん思いの素敵な女性です。
いつものようにKさんとKさんのお嬢さんと一緒に買い物を終えたところに出くわしたのですが、
挨拶をして近況を話し終えると彼女は再びレジへ向かいました。

レジの女性に何か話しています。
どうやらお金を返したいと言っているようです。
彼女の手にはレシートと小銭
レシートには
品物代  100×4
消費税     20
_________
合計     420
と書かれています。

注意してみると、彼女の片方の手には100円玉、もう片方にはレジ袋に入った商品があり、
彼女は店員さんの目の前で
「1、2、3、4、5」と数えて見せます。
そして100円を返そうとするのですが、店員さんには全く通じず首をかしげるばかりで
なかなか受け取ってもらえませんでした。
何度目かの説明でようやく店員さんにも理解してもらえたようなのですが、
今度は店員さんが彼女に話をしています。

「5円足りません」

「ごえんたりません」

「だからぁ、ご・え・ん・た・り・ま・せ・んっ」

彼女は100円の品物を5点購入した。
店員さんの間違い(だと思います)で4点分420円の請求をされた。
520円渡し100円のおつりをもらったが、彼女は1点分払っていないことに気付いたので、
店員さんに足りない100円を支払おうとした。
5点になると消費税5円がプラスされることになるので店員さんは請求した。

というだけのことなのですが、店員さんも外国人への対応に慣れていないのか、
同じ言葉を繰り返すだけです。
彼女も一生懸命聞いているのですが、足りなかった100円を返すという思いで
いっぱいのせいか気がつかないままです。
店内にレジは一つだけ、振り返ると多くの人が並んでいて店員さんと外国人のやり取りに
注目しています。
当事者ではない私も身が硬くなるほど息苦しい雰囲気です。
レジに並ぶ人の冷たい視線を感じます。

私も遅ればせながらことの一部始終に合点が行き彼女に説明します。
彼女も途中で「あっ」と気が付き店員さんに5円を支払って、
恥ずかしそうに帰って行きました。
彼女が恥じることは何もないハズなのに。

やるせない思いでいっぱいの瞬間でした。
私に出来ることは他にはなかったのだろうか?
これから私に出来ることは何なのか?
そう考えた瞬間でもあります。